2015.10.06

「猫」「現代アート」「日本酒」このキーワードをつなぐ谷根千ギャラリーめぐり

安楽由紀子

谷根千は、上野の東京藝術大学や美術館が近いこともあり、個性的なギャラリーがたくさんあるエリア。古民家が立ち並ぶ街と最先端アートは相性抜群。そこに身を置くだけで、なんだか感覚が研ぎすまされるような、そんなパワーを感じます。

 

猫だらけのギャラリーで猫芸術にどっぷり

まずは「谷中といったら猫でしょ!」ということで「ギャラリー猫町」へ向かいました。猫好きにはたまらない、猫をモチーフにしたアート作品の展示販売を行う、猫づくしのギャラリーです。階段下で猫の像がお迎え。

yanega10
階段を上ると、ホンモノの猫ちゃんがお出迎え。「この子は、“非正規雇用”のチョビちゃん」と代表の箱崎なぎささん。どこからかやって来てはこうして門番をしているのですが、“出勤日”は気まぐれ。だから、非正規雇用。チョビひげを生やしているように見えるのでチョビちゃんと呼ばれているそうです。

yanega9
2001年にオープンしたギャラリー猫町。「猫の作品を創作されている作家さんは、全国にたくさんいらっしゃいます。自由で気ままな猫は、アーティストと響き合うところがあるんでしょうね。フォルムも美しく、創作意欲をかきたてるようです」と箱崎さん。

yanega11
生活雑貨でも現代美術でもない、生活の中の新しいアートをめざす『猫的生活美術宣言』を掲げ、展示内容は2週間に1度入れ替え。個展のほか、「猫のマッチラベル展」や「猫町のロボット展」など企画展を行うこともあります。企画展のテーマは箱崎さんがひとりで考えているそうですが、アイデアが尽きることはないそう。

※写真は撮影時の展示内容です。時期により内容は変わります。

yanega7
余談ですが、「谷中といえば猫」だと思っていたのですが、実はここに来るまで猫に1匹も会えませんでした。ネットで「谷中 猫いない」で検索すると、やはり「会えなかった」という人が結構いるようで……。箱崎さんによると、谷中霊園や路地など、猫にとって居心地がいい環境であることは事実ですが、最近の飼い猫はほとんど室内飼いということもあり、実際にはそんなにあちこちに猫がいるというわけではないそうです。なんとっ!?

yanega6

yanega3
でも、ギャラリー猫町に行けば、たくさんの素敵な猫作品に出会えますし、運がよければチョビちゃんをなでなでできますよ! 10月1日〜12日までは、“猫作家”布施和佳子さんの個展「WELCOME」を開催しています(10月5日〜7日は休廊)。

 

ここに住みたい! 昭和のモダン建築にうっとり

お次は、朝倉彫塑館へ。ここは、文化勲章を受章した、彫塑家・朝倉文夫(1883-1964年)が1935(昭和10)年から29年間、アトリエ兼自宅としていた建物を美術館として公開しています。国の登録有形文化財で、「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝にも指定されているんですよ。

yanega15
「彫塑」と聞くと「難しそうだな」と思うかもしれませんが、構えずにぜひ行ってみてください。作品の迫力もさることながら、建築もとても素晴らしいんです。モダンな西洋建築と優美な日本建築の融合、湧水を利用した落ち着いた中庭、貴重な建築用材を使った大広間……何もかも素敵でうっとりしてしまいます(館内は撮影禁止のため、作品の写真でご勘弁を。タイトルは「雲」)。

yanega16
そして、ここにも猫ちゃんが! 東洋蘭の温室として使用されていた(自宅に温室というのも憧れですね!)という2階に、生き生きとした猫の作品がたくさん展示されています。朝倉文夫は愛猫家だったそうです。いろんな表情を魅せる猫ちゃんを鑑賞しながら、「ああ、ここに住むことができたなら……」と何度も思ってしまいました。

 

ここがギャラリー!? 銭湯を改装した建築にびっくり

「SCAI THE BATHHOUSE(スカイ ザ バスハウス)」 は、200年の歴史を持つ銭湯「柏湯」をリノベーションし、1993年にオープンしたギャラリー。瓦屋根に煙突、どこからどう見ても伝統的な銭湯ですが、内部はコンクリートの床に白い壁、高い天井の明るい広々とした展示空間となっています。

SCAI_
(撮影:上野則宏、協力:SCAI THE BATHHOUSE)

展示しているのは、先鋭の日本人アーティスト作品や、日本ではまだ知られていない海外の優れた作家の現代美術。歴史ある建築と、最先端のアート。このギャップがなんとも刺激的。海外から訪れる方も多いようです。

 

アートを鑑賞しながら日本酒でゆっくり

さて、夜も更けて来たところで、向かうは「ギャラリーLIBRE(リブレ)」。こちらは19時から、座席数9席の日本酒バー「酒壺しずく」として営業しています。

yanega14

yanega4
「酒壺しずく」店主の菅原 章さんは、根津歴20年以上。「NPOたいとう歴史都市研究会」理事として、全国各地の蔵元を招いて話を聞く「日本酒の会」を開催した縁で、日本酒を通して地域の方と交わることを目的としたサロン的なこのバーを開くに至ったそう。「ギャラリーLIBRE」代表の中島興三さんとは古くからの友人で、「営むなら、ここしかない!」と思ったのだとか。

yanega2
yanega1
日本酒は、菅原さん自らがセレクトしたものを常時25〜30種を揃えています(550円〜、時期によって銘柄は変わります)。チャージ300円、おつまみは7〜8種類300円〜。自分が好きな器を選んでいただくことができます。写真は、広島の「誠鏡 二夏越えの安芸便り」(650円)。アートを鑑賞しながらいただく酒はいつもと違う感じ。感覚が研ぎすまされて、作品のパワーも酒の味わいもダイレクトに心に染み入ってくるような気がします。早い話が、うまい!

yanega13

 

「谷根千は、江戸時代からの道筋も残っているし、明治から昭和初期の建築も残っており、散策していてホッとする町。ここ10年ほどで特徴ある飲食店や小物店も増えて、20年住んでも飽きません」と菅原さん。谷根千、来てよかった。芸術巡り、楽しかった。そんな喜びと芳醇な日本酒の香りに浸りながら、夜は静かに更けていきます……。

[関連特集]

風情と歴史に触れてみない?グルメやショッピングを楽しめる下町特集

インスピレーションが刺激される!チェック必至のアートスポット特集

人気タグをチェック!

関連記事

[PR]ホテルと新幹線のお得なセット

1泊2名様1室おとなおひとり様の場合

アンダーズ 東京

館内は、和紙などの自然素材や和のモチーフを生かしたデザインでまとめられ、大人の寛ぎを感じる空間。上質なホテルステイが堪能できます。

  • Twitter
  • Facebook

土日もお値段そのまま!シンプルプライス

17年秋インスタCP

人気スポットランキング

TOKYO DAY OUT
  • 自転車で、下町をめぐる

    浅草発! ガイドブックとはひと味違う観光体験を、劇団EXILEの八木将康さんと。

    詳しく見る

  • 餃子×お酒のマリアージュ

    ワインにシャンパン、クラフトビール。あなたなら何を合わせる?

    詳しく見る

  • 天空の大人空間

    アンダーズ東京52階のルーフトップバーは、誰でも気軽に足を運べる粋な大人空間

    詳しく見る

  • 話題の文具店カキモリ

    「家業をなくしたくない…」から始まった。ユニーク文具店の”書くこと”への想い

    詳しく見る

  • #1
  • #2
  • #3
  • #4

17年秋インスタCP

人気スポットランキング

NEWS

もっと見る

RANKING

PICK UP

もっと見る

17年秋インスタCP