2017.02.14

デヴィッド・ボウイ回顧展に行ったら、大量の刺激とパワーをもらってしまった。

舘そらみ

デヴィッド・ボウイという人を知っているでしょうか。
その訃報が世界中をかけ巡ったのは、2016年1月のこと。著名人たちがあまりにも多く哀悼の意を唱えるので、驚いた方も居たかもしれません。
デヴィッド・ボウイとは、この方です。

david bowie (1)
東京を歩いているとそこかしこに見るこのポスター。
「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」とも言われるデヴィッド・ボウイの回顧展「DAVID BOWIE is」が今、品川区の寺田倉庫G1ビルで開催中です。
亡くなる前の2013年にイギリスでスタートしたこの展覧会は、世界9都市を回り、アジア唯一の開催国である日本にやってきました。世界各地で動員記録を塗り替え、そして、今ここ日本においても、人々が殺到しているのです。
その人気の秘密はなんなのか?行ってみました。

 

音楽も展示する場所

重厚なエレベーターに乗り込み、早速足を踏み入れます。
始まる前に渡されるのが、ヘッドフォン。流れてくるのはデヴィッド・ボウイの音楽やインタビュー。
目には展示品、耳にもデヴィッド・ボウイ、あちらからもこちらからもデヴィッド・ボウイに包まれて始まります。
来場者自身の歩みに合わせて音源は変わっていくので、音源の進みに合わせる必要はありません。

david bowie (2)
山本寛斎作の最初の衣装から、彼が単なるミュージシャンではなく飛び抜けたアーティストであったことを感じさせられます。
だって、なんだこの見たこともない衣装は!これを生み出した人もすごいけど、これを着こなせる人もすごい!

そうして展示は、デヴィッド・ボウイの人生を辿ることで進んでいきます。
1947年に空襲の傷跡が残るイギリスで生まれたこと、成長過程で音楽に出会ったこと、ダンスに出会ったこと演劇に出会ったことチベット仏教に出会ったこと…デヴィッド・ボウイの歩みが丁寧に説明されていきます。
なのに、なのに!ピンと来ないのはなんでなんだろう。
確かに人間らしい幼少期のエピソードと写真が並ぶのに、デヴィッド・ボウイという人間がどんな人なのか全然想像がつかない。
だって、なんだか常軌を逸してカッコよすぎる。
16歳でこんな写真を撮れてしまう青年の、あまりにも自分と離れた出来上がりっぷりにポカーンが止まらない。

david bowie (3)

 

迫って来る「デヴィッド・ボウイ」な数々

この人はなんなんだ?という問いが、「コレはなんなんだ?」になってしまうほど、
次から次へとデヴィッド・ボウイの刺激的な姿がやってきます。

©Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

©Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

揺らぎのあるボウイの歌声が耳元に流れ、目の前ではど派手なボウイが迫って来る。

david bowie (4)
赤い髪に赤いブーツ、血を滴らせながらジャンプスーツを着こなす姿が、当時どれほどの衝撃だったかは想像がつきません。
しかし、「ジェンダーや社会の規範に疑問を投げかけるボウイは、架空のアイデンティティを探求する先駆者だった」の記述に「ええ、そうでしょう」と思わず頷いてしまう。
だって、こんな人見たことない。どこにも属さない唯一無二な人のことが伝わってくる。
時代を越えて、どんどん飛び込んできます。

david bowie (5)
彼が生み出した衣装、楽曲イメージの絵画、メモ、アルバム…西を向いても東を向いてもデヴィッド・ボウイ。(デヴィッド・ボウイ展だから当たり前)
どんどん口がポカーンと開いてしまうほどに刺激的で、頭がおかしくなってきそうです。
なんなんだこの人は!

david bowie (6)

david bowie (7)
本人は居ないのだから空虚感が漂いそうなものを、不思議なことにどこを見てもドギツイほどにデヴィッド・ボウイの存在を感じてしまう。
マネキンの姿にも、いつの間にかデヴィッド・ボウイを脳内で置き換えるようになっていました。
ここに来るまで、デヴィッド・ボウイのことをそこまで知らなかったのに!

david bowie (8)

david bowie (9)
目にすれば目にするほどに、理解ができなくなっていく。

david bowie (10)
そんな彼のアートピースに囲まれていると、彼が男なのか女なのか、いくつなのかどこの人なのか、どうでもよくなる気がしてきました。
耳元で流れ続ける歌声はこんなにも抒情的なのに、どんどん彼から人間味を感じない。まるでファンタジーかのよう。
「ボウイは同性愛者だった」なんて記述が現れても、「そんなのどうでもいいわ!」と一蹴するほどに、デヴィッド・ボウイは既存の枠組みから離れすぎている。
まさに、「架空のアイデンティティを探求する先駆者」そのものなのです。

 

ベルリンの壁とデヴィッド・ボウイ

展覧会の後半は、デヴィッド・ボウイ自身の人生がそうであったように、少しだけ人間らしさを見せてくれるようになります。

ドラッグ依存から立ち直るために描かれたという絵画の中でも、三島由紀夫像は一見の価値ありです。

david bowie (11)
そうして極めつけは、ベルリンの壁の前でライブを行うボウイのドキュメンタリー動画。
壁越しにボウイの演奏を聞く若者たちが、「ここから出せ!」と叫びだす、ものすごい感情がう渦巻く映像です。
ボウイの生きざまを見続けた後で知る、ボウイの世界への影響は、あまりにも感慨深いものです。

 

デヴィッド・ボウイに包まれる。

そうして最後には、改めてこれでもかと全面からデヴィッド・ボウイに包まれます。
それは、どうしてこんなにこの人を見てるんだろうとふと不思議になってしまうほどの光景。

david bowie (12)

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つい1年前まで生きていた人のハズなのに、どれだけ見つめてもやはり実体として浮かんでこない。
だからこそ、当時の若者たちがデヴィッド・ボウイを見て「なりたい自分になれる」と夢を見たのときっと同じ夢を、なんだか見てしまいそうになります。
あまりにも目の前のデヴィッド・ボウイが、枠組みをぶっ飛ばした存在として、目の前に居てくれるから。

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男なのか女なのか、いくつなのかなんなのか、全く分からない架空のような存在。
隙も無いほどに作り込まれた、虚像。
酔ってしまうほどにデヴィッド・ボウイに一杯になって、半ば呆然として会場をあとにしました。

 

カフェとショップでひとやすみ

デヴィッド・ボウイに次ぐデヴィッド・ボウイを体感したあとには、1階のカフェで一息つくのがオススメ。

david bowie (17)
広いカフェ空間は、どこの国か分からない開放感にあふれ、ここでもまたボウイが爆発しています。

david bowie (18)
ショップは、品ぞろえが豊富。
音源やまつわる書籍はもちろんのこと、

david bowie (19)
鮮やかな限定グッズたちは、日常的に使いたくなるものばかり。

david bowie (20)

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このショップとカフェは、チケットが無くても利用が可能です。
何度も足を運ぶファンの姿も多くあります。

 

さて、そんな展覧会を、勢い多めで紹介しました。
ちょっと刺激を受けにくるでもよし、浸ってみるでもよし、どんな楽しみ方も出来そうです。
ただ人気な展覧会ではありますので、人は少し多め。ヘッドフォンから流れる音楽を聞きながら、ゆったりめで回ることを予期して来てください。

会場には、当時を知っているであろう層はもちろん、10代のかわいらしいカップルの姿も。
どれだけすごかった人か知らなくても、ここで知って感じて、十分に楽しむことができます。
リピーターも多いこの催し。初回はきっとパワーに圧倒されて、2回目でやっとじっくり展示を味わいだせるかもしれません。日本独自のエリア「戦場のメリークリスマス」について坂本龍一や北野武が語るデヴィッド・ボウイも、また違う印象を与えてくれます。

生きてたら御年70の大先輩がこんなにも、何にも縛られないことを体現してるんだから負けちゃいられないな、なんて模範解答のようなことを本気でちょっと思ってしまうパワーがここにはありました。
「“誰だろうと、自分がなりたい自分になれる”という体現者」であったデヴィッド・ボウイの生き様がつまった展覧会。4月9日までです。

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