2018.06.19

食べ放題で元は取れない。経済のプロが教えるビュッフェのオトクな利用法

いつか床子

ビュッフェの特色といえば、なんといっても目移りしてしまう豪華で豊富なメニュー! せっかくの食べ放題なのだから、高級食材をばっちり押さえて支払った料金以上の元を取りたいところ。

 

ということで 『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)などの著書で有名な久留米大学商学部教授・塚崎公義先生にビュッフェの必勝法をお伺いしたところ、返ってきたのは意外な回答でした。

ビュッフェで元を取ることはできないの!?

さっそくですが塚崎先生、ビュッフェに行ったときにはなにを食べると一番おトクなんでしょうか? 元を取るための秘けつとは?

 

「まず、食べた分の材料費を計算して元を取りたいと思ったら、ビュッフェには絶対入っちゃダメ。相撲取りなら別だろうけど、まず無理だよ。

 

たとえば喫茶店のアイスコーヒーって、原価はめちゃくちゃ安いんだよね。コンビニに行けば100円くらいでそこそこおいしいコーヒーが買えるけど、それでも私たちは高いお金を払って喫茶店に入ってコーヒーを飲むじゃない。そういうときって、コーヒー豆をいくらで仕入れているかなんて特に考えないでしょう? 『おいしい』とか『うれしい』とか『ほっとする』とか、『座れる椅子があって本が読める』とか、そういう要素を全部引っくるめて喫茶店に入ることを選んでいるわけで、そこに『元を取ってやろう』っていう意識はあんまりないはず。ビュッフェだってそれでいいんだよ。私たちに関係あるのは『材料費がいくらかかっているか』、『元は取れたか』じゃなくて、『食べておいしかったか、楽しめたかどうか』ってところなんだから」

 

ええっ! いきなり取材の根本を覆すご発言……。元を取るという考え方自体が無謀だったんですね。

 

「ただ、ビュッフェで得はできる。たとえばほかのレストランと比べてみればいいんじゃないかな。ビュッフェスタイルではないレストランで何人前も食べたらもっとお金がかかるよね。そういう意味でなら元が取れてるといえるでしょう? そもそもビュッフェは、お客もお店も得ができるうまい仕組みがあるから繁盛しているんだから」

 

ビュッフェレストランとお客さんのwin-winな関係

ビュッフェの「お客さんもお店も得ができるうまい仕組み」とはどういうものでしょう?

 

「まず、全ての店にとって一番大事なのは、人気があってお客さんがいっぱい来るということ。お店を開けた瞬間って、固定費(売り上げに関係なくかかるコスト。店賃やスタッフのお給料など)の分だけ赤字なんだよね。お客さんが来店するごとにその赤字が少しずつ減っていくわけ。お客さんが来れば来るほど、代金のなかで負担する固定費の割合は少なくなるから、ひとつでも空席があったらもったいない。

 

たとえば、レストランに行って空席があったときには、『あの空席のぶんの金も私が払わされてるのか』と思えばいいんだよ。レストランであなたが支払う料金のなかには、お店の借り賃だって入ってるんだから。お店にお客さんが半分しかいなかったら『このお店の借り賃を2席分も払わされてる』ってことになる。

 

でも、ビュッフェは話題性もあって満席な店も多いよね。満席になるっていうのはすごく大事なこと。しかもビュッフェはひとり当たりが食べられる種類も食べられる量も多いから、ひとりあたりの変動費(材料費など、売り上げが増えるほど増えていくコスト)が高い。だからビュッフェは固定費に比べて変動費の割合が大きいということになるよね」

 

代金のなかの固定費より変動費のほうが大きいと、どういうことになるんでしょう?

 

「満席のビュッフェに行けば、支払う固定費は1席分でいい。空席じゃなくて、ちゃんと自分が食べたいもののためにお金を払えているんだよ。お客さんはたくさん食べておいしいしうれしい。お店は空席がないからうれしい。これこそwin-winの関係でしょう?」

 

確かに! それにビュッフェなら、一回一回注文する手間も省けるので作る側にとっても効率がよさそうです。

 

「その通り。店側が好きなものを作って提供するわけだから、仕入れの時点で無駄がないよね。お客さんから注文が来なくて材料を余らせてしまうということもない。

 

それともうひとつ大きいのは、コックさんだね。普通のレストランでコックさんが忙しいのって、ランチタイムなどのごく限られた時間になるもの。でもビュッフェで働いているコックさんは、オープン前から何十人分もの料理を一度に作るから朝から常に忙しい。ずっとフル稼働しているから全然無駄がないし、レストランのオーナーにしてみても、同じ一日分のお給料を払うとしたらビュッフェスタイルのほうがよっぽど効率的。固定費がさらに少なくなって、変動費に割くことができるから」

つまり裏を返せば、ビュッフェはもともと、おいしいものがお得に食べられるシステムになっていたということですね。

 

「元をとりたいからって、材料費が高いだけで好きでもないものを無理に食べたり、食べ過ぎてお腹を壊していたら意味がないでしょう。食べたいものを好きなだけ食べるのがいい。

 

……とはいえ、わかちゃいるけどやめられないということはたくさんあるよね。私もついつい、わかっててもやっちゃう派(笑)。だから、ビュッフェに行くときに気をつけるとしたら『どうしたら元が取れるか』じゃなくて、『食べ過ぎてお腹壊さないようにしよう』っていうこと。自分との戦いじゃないかな(笑)」

 

おっしゃる通りです(笑)。塚崎先生、お話どうもありがとうございました!

 

「少しでも得をしたい!」と食べる前からついつい頭を巡らせてしまうビュッフェですが、そんなこと考えずに、食べたいものを自由に食べたほうが結果的に満足につながるということがわかりました。胃袋と相談しながら心おきなく、とはいえ無理をせずに、大好物を制覇しちゃいましょう♪

人気タグをチェック!

LINE@はじめました

関連記事

[PR]ホテルと新幹線のお得なセット

1泊2名様1室おとなおひとり様の場合

ザ・プリンス パークタワー東京

都心とは思えないほどの緑に、圧巻の東京タワービュー。施設内には都内ではめずらしい天然温泉を備えたスパもあり、思う存分くつろげます。
  • Twitter
  • Facebook
TOKYO DAY OUT
  • 泊まれる本屋の最新版

    “泊まれる本屋”がコンセプトの「BOOK AND BED TOKYO」が、カフェ移設で新宿にオープン。

    詳しく見る

  • 表参道で深夜メシ!

    蕎麦 VS お好み焼き どっちにする?

    詳しく見る

  • 表参道は巨大な池だった!?

    知られざる表参道の歴史をひも解く連載スタート。

    詳しく見る

  • 触れて感じる、アート展

    「ふれる」をテーマに最先端デザインの驚きとおもしろみに出会う!「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」。

    詳しく見る

  • #1
  • #2
  • #3
  • #4

シンボルタワー

人気スポットランキング

NEWS

もっと見る

RANKING

PICK UP

もっと見る

土日もお値段そのまま!シンプルプライス